水嶋ヒロ小説早くも注文40万部 Amazon、楽天ブックスでも1位

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   2010年12月15日に発売される俳優・水嶋ヒロさんの処女小説『KAGEROU』(1470円)が早くも大人気だ。書店からの注文数は40万部を突破、アマゾンでもベストセラーランキングで1位になっており、発売前にも関わらずヒットの兆しが出ている。

   水嶋さんは齋藤智名義で、新人作家の登竜門・ポプラ社小説大賞に応募し、同作で見事大賞を受賞。賞金2000万円を辞退したことでも話題になった。

40万部の異常な注文数

Amazonでは早くも1位。本当に売れるのか。
Amazonでは早くも1位。本当に売れるのか。

   ポプラ社のサイトなどによると小説のあらすじはこんなものだ。

   ――借金を抱え、リストラされた主人公・ヤスオが「かげろう」のような人生に幕を閉じるためビルから身を投げようとするが、黒づくめの男に引き止められる。ヤスオは男とある契約を結び、苦悩を抱えながら、命や愛することの切なさを知る。

   発売は12月15日の予定だが、早くもヒットの予兆が出始めている。

   完全受注制を取り、返品がしにくい仕組みになっている。同社によると、11月25日まで注文締め切り日までに全国の書店から40万部以上の注文があった。新人作家のデビュー作が一般的に初版4000~5000部というのが多いことを考えると、例がない数字だ。

彼の作品を1500円出して買うのか

   ちなみに、06年にポプラ社小説大賞を受賞した『削除ボーイズ0326』は初版5万部だった。広報宣伝担当者は「『削除ボーイズ』はSF要素があったのでSF好きに受けていましたが、『KAGEROU』はエンターテインメント系の文芸好きや、俳優としての水嶋ヒロさんが好きな人にも期待しています」と話す。

   また、既に予約を受け付けているAmazonでは、12月7日17時現在本のベストセラーランキングでは『もしドラ』を抑えて第1位。楽天ブックスでも、「小説・エッセイ」部門で1位となっている。Amazonによれば、『KAGEROU』を予約した人は、水嶋さんの出演映画のDVDや酒井法子さんの自叙伝『贖罪』も買っているという。

   ただ一方で、『KAGEROU』については、作品のクオリティを疑問視する向きもある。受賞後、刊行に向けて再度文章をブラッシュアップしたというが、芸能評論家で出版社も経営する肥留間正明さんは、

「しっかりとした作家の作品だったら買う人も多いかもしれませんが、作家としてひよっこの彼の作品を1400円出して買うかというと別。本屋で平積みにしてあるのを少し開いてみて『面白くないな』といって終わりですよ。40万部注文が来たといっても、大事なのはどれだけ売れるか。それに、俳優として人気だとしても、観ればすむドラマや映画と違って、読まないといけない小説をファンが買うかと言うと違う。それに、大体、作家は原稿料で食べているというのに、賞金2000万円を辞退すること自体が作家をバカにしていますよ」

と話している。

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