猪瀬副知事「ネトウヨは夕張で雪かきしろ」 漫画規制の取材申し込みに条件

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   「ネトウヨは財政破綻した夕張を助けに行け。雪かきして来い」。東京都の猪瀬直樹副知事(64)が、ツイッターでこんな過激なつぶやきをして波紋が広がっている。性行為表現がある漫画・アニメの18歳未満への販売規制を批判的に取り上げているジャーナリストらを指しているらしいが、どんな意味なのか。

   つぶやきのきっかけは、反対の声も相次いでいる都青少年健全育成条例の改正案について、猪瀬副知事が弁明したことかららしい。

副知事のデマゴーグ発言がきっかけ

波紋を呼んだつぶやき
波紋を呼んだつぶやき

   猪瀬副知事は改正案について、ツイッターで2010年12月5日、「表現規制ではない。デマゴーグに踊らせられているだけ」だと主張した。ツイッターのまとめサイト「Togetter」によると、これに対し、「マンガ論争勃発」の本を書いているジャーナリストの昼間たかしさんが、「ならば、その旨を取材させて下さい」と反応したところ、副知事は夕張で雪かきすることを条件にインタビューを受けてもいいと答えたというのだ。

   ネトウヨと指摘されたことについて、昼間さんは「対局の極左」だと反論。そして、デマゴーグであることは否定し、「この問題の本質は、様々な意見を通して表現する者の中で覚悟がある者とないものの違いが見えてくることにある。ゆえに、今年の総括として猪瀬さんの発言は聞きたい」と迫った。夕張については、映画祭の取材らしく、毎年行っていると付け加えている。

   とはいえ、副知事も譲らず、「条件は出した。夕張で雪かきだ」と強調した。都庁職員時代に夕張市応援に派遣された男性(29)が、11年4月の同市長選に出馬表明したことから、その手伝いに行ってほしいとも述べた。

   昼間さんは結局、この条件を飲んで雪かきに行くことを了承した。

   都では、財政再建団体の同市を支援するため、派遣の職員らがボランティアとともに観光施設などで雪かきをしており、副知事も09年1月24日に現地でその初体験をしている。昼間さんは、勝手に雪かきしても迷惑をかける可能性があるとして、これに同行したいとツイッター上で申し出た。

   副知事は、なぜインタビューを受けるのに、雪かきを条件にしたのだろうか。

雪かきに参戦表明した漫画家も出る

   唐突な印象があるが、机上の議論をしていないで、子どもたちに性行為表現の影響が出ている現実を知れとでも言いたかったのか。昼間たかしさんをネトウヨと呼んだとしたら、2ちゃんねるなどで改正案が批判も受けていることを苦々しく思ってのことなのか。

   都の猪瀬副知事室では、「個人のつぶやきですので、本人でないと分かりません。秘書がお答えする話ではないです」と言う。猪瀬直樹事務所に取材すると、本人は外出中とのことだった。

   副知事は、規制反対論には反論しており、2010年3月22日付ブログでは、「言論表現の自由とは別モノ」と主張している。規制は、性交やその類似行為に限定され、「性交を示唆するに止まる表現や、単なる子どもの裸や入浴・シャワーシーンが該当する余地はない」と説明している。

   一方、反対する漫画家らも相次いでおり、「ジキルとハイドと裁判員」などで知られる森田崇さんは、4月4日のブログで、副知事を「語るに落ちたり」と批判した。その中で、「改正案は、レギュレーションを曖昧にし、いくらでも恣意的な取り締まりが可能になった条文だ」と言っている。

   昼間さんのつぶやきに参戦する漫画家も出ている。

   アダルト漫画を手がけている浦嶋嶺至さんは、ツイッターで、自分も雪かきをするとして、副知事はそれなら会うのか秘書に確認の電話をしたことを明らかにした。東京・中野で12月6日夜に開く漫画家の集会にも副知事の来場を呼びかけたが、副知事側からは、雪かきするときに会うとの電話が来たという。

   副知事がどこまで取材などに応じるのかも含め、今後もこの問題の論議は続きそうだ。

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