「国は15年前の約束をほごにするのか」と激怒
だが、金融界も別の基金などを使い、損失の半分を穴埋めしなければならない立場。民間に肩代わりさせようともくろむ政府に対し「国は15年前の約束をほごにするのか」(大手行幹部)と激怒している。全国銀行協会の奥正之会長は「官民折半の原則を貫く方向で検討していただくほかない」とクギを刺した。
15年前の時点では、基金の運用利回りを年3%と見込み、国民負担は回避できるとの皮算用もあった。国民と金融界のどちらに負担を求めても、政府の見通しの甘さを批判されるのは確実で、金融当局からは「15年前の問題を押しつけられた」とのぼやきも上がっている。落としどころを見つけるのは容易ではなく、官民両方から「波風を立てないためには、2~3年の先送りはやむなし」との雰囲気も強まっている。