希少な生き物を飼っている満足感
日本で売られているエサ用のゴキブリは90%以上が海外からの輸入で、南米、中南米、アフリカが主流。ちゃんとしたエサを与えて管理してから販売するため、野生のカブトムシよりもキレイな状態という。家で育てる場合もコオロギより遙かに手間がかからず、また繁殖能力も高く1回で20~30産卵する、と吉岡さんは説明する。
ペットのエサとしてだけでなく、ゴキブリ自体をペットとして飼う人も増えているという。ヨーロッパではペットとして飼育するのはさほど珍しくない国もある、とし、吉岡さんは
「多摩動物園でもペット用に飼われるゴキブリを飼育していますが、そうしたゴキブリはあまり見たことのない色や形をしています。飼う人は希少な生き物を持っている満足感と愛情を感じているようです」
と打ち明ける。ゴキブリだとわからないものもあって、飼う人達はカブトムシやクワガタに夢中になるのと同じような感覚で接しているという。「珍しい生き物を飼いたい」というところからゴキブリに行き当たる人が多いようで、ペットとして飼われるゴキブリの種類にはディスコイダリス、アトロポス、ヨロイモグラゴキブリ、体長7センチにもなるマダガスカルオオゴキブリなどがある。ショップによって値段は異なるが、1匹100円から1万円以上のものまである。今後もゴキブリ人気が拡大していくのか興味あるところだ。