「自然と一体化している不思議さ」が魅力
「桜井章一 本」の読者は20歳代後半~40歳の男性が中心。景気や雇用の悪化で将来への不安や、閉塞感が漂う社会のなかで、「苦境脱出のヒント」を得ようとしている人たちのようだ。
幻冬舎が2010年5月末に発行した「ツキの正体」はこれまでに4万4000部が売れた。編集者によると、「読者は桜井さんの人柄に惹かれる」という。この書は、麻雀で負けたことのない桜井氏が「運」や「ツキ」の考え方や心のあり様などについて述べているが、「決して上から目線ではなく、仲間に話しかけるように説いているんです。だから、わかりやすいし、共感できる部分が多いのではないでしょうか」とみている。
実際の桜井氏は、損得は考えず、ずるいことが大嫌い。
「すがすがしさというか、直観的な感性が研ぎ澄まされていて、それでいて自然と一体化しているような不思議さがあるんです」
桜井氏の著書を手にした人が2冊、3冊と読みすすめることは少なくないようで、ブームはしばらく続きそうだ。