母親に手を握ってもらい眠る  「地獄を見た」岡村隆史の療養生活

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   芸能活動を再開した、お笑いコンビ・ナインティナインの岡村隆史さんが、2010年12月3日未明、ラジオ番組「ナインティナインのオールナイトニッポン」(ニッポン放送)に出演した。病気がひどいときは、自分のサインを書くこともできなくなったといい、「地獄を見た」という療養生活について語っている。

   岡村さんは、7月中旬から体調不良を理由に芸能活動を無期限休止。復帰が待ち望まれていたが、11月27日放送のバラエティ番組「めちゃ×2イケてるッ!」で芸能活動を再開した。

突如「お金がない!」と言い出す

   12月3日未明には、「ナインティナインのオールナイトニッポン」に5か月ぶりに出演。番組冒頭で、「こっぱずかしいような、変な感じなんですけど」と照れながら「ホント皆さん長々と待って頂きありがとうございます。感謝の気持ちで一杯です」と挨拶した。

   岡村さんは主治医から「5分だけなら出演してもいい」と言われていたが、結局無視。番組2時間を使って、療養中のことを相方の矢部浩之さんと一緒に語った。

   まず休養する前、楽屋で岡村さんが突如「お金がないで!ロケ行けない!」と執拗に言い出した。矢部さんが「銀行に行けばお金あるでしょ」というも、「こんだけしかないで!」と財布の中身を矢部さんに見せてきた。

   「お金がない!」しか言わず会話にならなかったため、矢部さんは様子がおかしいと思い休ませることを決めた。その後、休養を言い渡された岡村さんは矢部さんの腕を掴み、もの凄い目で「それだけはやめてくれー!!」と叫んだという。

全てのことに対して気力を失い、髪と髭は伸ばしっぱなし

   病名は明らかにされていないが、精神的な病だと思われる。それからの療養中は「地獄を見たで」と語るほど辛かった。全てのことに対して気力を失い、髪と髭は伸ばしっぱなし。体重も増え、矢部さんによるとマラドーナ監督のような風貌だったという。

   ご飯の味を楽しむ余裕もなくなってしまい、サラダにもドレッシングをかけない。「かけたところで」と思ってしまうのだという。物忘れが激しくなり、人の名前や、ひどいときは自分のサインの書き方も忘れてしまうこともあった。じっとしていることもできなくなり、部屋中をウロウロ歩き回っていた。

   バラエティ番組を見ても「楽しそうでいいなぁ」と思うだけで全然笑えず、療養中の5か月間、笑顔自体もほとんどなかった。大好きなサッカーも見ておらず、ワールドカップもどこが優勝したか記憶が曖昧だという。

   唯一見ていたのがNHKだ。病院では7時に起こされ、まず連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」を見る。その後、BSでメジャーリーグを見て、次は高校野球とNHKばかり。「NHKはずっと見てられる安心感がある。助けられた」と話している。

   療養中は、明石家さんまさんや志村けんさん、タモリさんら芸能界の先輩から見舞いのメールや電話を貰った。ビートたけしさんからは手紙を貰い、「救われた。ありがたかった」。家族にも支えられ、母親に手を握ってもらい眠りにつくこともあった。「落ち着くんです。もう40歳で、恥ずかしいんですけど、母強しです」と語っていた。

   5か月で復帰できたことについては、「落ちるスピードが早かったから、同じスピードで回復した」。久しぶりの出演が嬉しく、番組では終始ハイテンションだったが「ほんま今回色んな事勉強になりました。みなさんに笑いで恩返ししていきたい」と意気込みを新たにした。

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