片山善博総務相(59)がいつの間にか再婚していた。お相手は片山氏が知事を務めていた鳥取県の「課長級の女性」だ。元部下ということになる。片山氏はがんの妻を長年にわたり看病・介護し、死別するなど愛妻家だったことで有名だ。お相手女性は誰なのか、と地元でもうわさになっている。うわさをたぐるとお相手本人が見つかり、電話で直撃取材した。
「つい最近、入籍した」。片山氏は2010年12月3日、閣議後の記者会見で記者からの質問にこう答えた。3日付の毎日新聞朝刊が「鳥取県の課長級の職員の女性と再婚していた」と短く報じていた。
「プライベートなことなので」と詳しい説明なし
会見に出た関係者によると、片山氏は再婚報道の内容を認めた上で「プライベートなことなので」と多くを語らなかった。ただ、入籍手続きに関係した質問に対し、住民票を鳥取からすでに東京に移していることを明らかにした。
片山氏は、10年9月の内閣改造で入閣した。旧自治省出身で1999年から2007年まで2期鳥取県知事を務めた。自身は岡山出身だが、旧自治省時代に鳥取県へ何度か「出向」しておりゆかりがあった。
片山氏は09年7月に前妻を悪性リンパ腫で失った。病気が判明して以来10年にわたり闘病生活に寄り添っていた。前妻は岡山の高校時代の同級生だった。亡くなる直前の4か月は、6人の子どもと分担しながら介護に力を注いだ。
片山氏は07年の知事退任後、慶応大の教授に就任した。週に3日程度は東京へ行き鳥取と往復する生活が続いていた。朝の情報番組「みのもんたの朝ズバッ!」(TBS系)のコメンテーターも務めた。
「片山さんに会ったらコンチクショーって言ってやるよ」。10年12月3日の朝ズバで、司会のみのもんたさんは、片山氏再婚の新聞報道を紹介する際、笑顔でこう冷やかした。片山氏は、妻の介護のイメージのほか、総務相就任時には東京の家賃約10万円のアパートに息子と同居(ホテル暮らしと併用)するなど実直なイメージが強かったからか、「意外とやるね」といった風情の扱いだった。
県庁の仕事は続ける予定
「ええええっ!片山さん、再婚したの?」。取材した方がびっくりするぐらいの大声で、鳥取県内のある政治関連事務所の女性は驚いた。同県内の県議や政党の事務所に数か所電話できいてみると、「ニュースで知った。それまで知らなかった」といった答えが返ってきた。
片山氏の鳥取県職員との再婚は、地元でも驚きをもって迎えられたようだ。鳥取県庁の複数の部署に電話取材すると、昼過ぎ段階では「報道で知った。『課長級の女性』って誰だ、と周囲と話している」という反応が続いた。同県庁には、知事部局には25人の課長級の女性がおり(4月1日現在、以下同)、各委員会や外局の事務局にもいる。例えば県教委には6人いる。
それでも夕方近くなると、「あの女性ではないか」「90%以上あの人」などのうわさが県庁内に出回り始めた。「90%以上あの人」との指摘も出た女性に電話をしてみた。
「ええ、私です」。この女性は再婚相手本人であることを認めた。入籍したのは10年11月で式はあげていない。片山氏が知事時代、直接言葉を交わす仕事をしたこともある。それでも交際開始時期や最近の顔を合わす頻度など詳しい話は避けたがっている様子だ。なぜなのか。「お互い再婚同士ですので、そっとしておいて頂ければ」。県庁内部でも再婚を報告したのは周囲の限られた範囲だそうだ。県庁の仕事は続ける予定だという。