「『中国大使館』にゴルフ代を立て替えさせた 4人の民主党代議士」――こんな見出しで週刊誌が4人の実名を出して報じた。日中間で尖閣諸島問題などの懸案が浮上する中、もし与党議員が中国側から「ゴルフ代をおごってもらった」とすれば、その見識が疑われそうだが、果たして真相はどうなのか。記事に登場する4議員に質問してみた。
この記事を掲載したのは、首都圏などでは2010年12月2日発売の週刊新潮(12月9日号)だ。民主党の山岡賢次・党副代表と笠浩史・文部科学政務官、長島昭久・衆院外務委員会筆頭理事、太田和美衆院議員の4人の名前を見出しにもとって報じている。
「約24万円を中国大使館秘書官が一括支払い」
新潮記事の前半の概要はこうだ。11月28日、栃木県内の老舗ゴルフクラブで、上記4議員と駐日中国大使館の程永華大使らが3組に分かれゴルフをした。その後、クラブハウスで懇親会が開催されお開きになった。計9人分のプレー代や飲食費は「合計約24万円」で、この料金を中国大使館の秘書官が一括して支払った――
記事の前文では、尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件などで日本人の対中感情は悪化する一方だと指摘した上で、「そんな折、中国大使館の甘い誘いに易々と乗り、和気藹藹とゴルフに興じる民主党議員がいた」と批判した。「さらに、プレー代も中国側に立て替え払いさせる始末」とも書き、「危機意識の欠如、もはや政権与党失格である」と切り捨てている。
民主党4議員が中国大使館関係者とゴルフや懇親会をしたこと自体は、記事中では「ここまでは問題なかろう。最近冷え切っている日中関係修復を目的とした大義名分もある」と容認している。一方、「中国側による一括支払い」については、「各自が個別精算するのが一般的で、一括精算は稀」と指摘し、「奢られたのでないとすれば、中国大使館がまとめて支払ったことは不可解としか言いようがない」と疑問を呈している。
記事後段では、尖閣問題などで揺れる今の時期に中国大使とゴルフすること自体を問題視する識者コメントや山岡議員ら3議員の回答も載っている。中国側が当日一括で払ったことは認めた上で、山岡議員は「当日(11月)28日のうちに、各議員は個人のプレー代を精算しました」、笠議員と長島議員は、翌29日午前に「山岡事務所に」約2万2800円を払ったと答えている。しかし、新潮記事は、支払日に関する証言に「食い違い」のあることや、山岡事務所が中国大使館に支払いをしたのかどうかは「不明のまま」と指摘している。