強姦容疑で国際指名手配
記事に対してウィキリークスは、公式ツイッターですぐさま反論。記事を「ゴシップ的な人物評」として、「悪しきジャーナリズムの事例で、最初から最後まで間違いだらけ」と猛反発した。
怒りが収まらなかったのか、10月25日付のツイッターでは「NYTの『ゴシップ記事』に対する読者の非難」と題して、掲示板サイトをリンク。見てみると、該当記事に対して「アサンジ氏はNYTより優れた仕事をしている。(NYTの)ジェラシーだ」「NYTに優秀な調査報道記者なんて、もういないよ」「NYTはジャーナリズムじゃない。消えゆく産業の消えゆく組織だ」など、多くの厳しい批判であふれていた。
しかし、アサンジ氏の気性の激しさを垣間見る場面があった。10年10月22日、米CNNのインタビューで、アフガニスタン戦争やイラク戦争の情報を公開した意義について、10分以上雄弁に語っていたアサンジ氏。ところが女性記者から、「スタッフが辞めるなど、組織内でゴタゴタがあるようだが」と質問されると、「組織の事情は、ここで語ることではない」と不機嫌な様子を見せ始める。
さらに記者から、アサンジ氏がスウェーデンで強姦容疑に問われたことに触れられ、「個人的なことは話したくない」「今回のインタビューは、趣旨が違うはずだ」と、冷静さを保ちながらも憤慨。記者から「あなたの法的問題が、ウィキリークスという組織に影響していないかを聞きたいのです」と畳み掛けられ、とうとう「本当にひどいインタビューだ。失礼」と席を立ってしまった。
だが、強姦容疑は晴れるどころか、事が大きくなっている。11月30日になって国際刑事警察機構(ICPO)は、アサンジ氏を国際指名手配したのだ。世界各国を逃げ回るアサンジ氏だが、ウィキリークスに絶大な影響力を持つだけに、逮捕されることになれば組織の今後の活動に大きな打撃となる恐れがある。