砲撃非難しない「唯一」の国中国 北朝鮮との「蜜月」一層強める

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   北朝鮮の韓国に対する砲撃事件が波紋を広げるなか、主要各国で唯一非難声明を出していないのが中国だ。特に数ヶ月、両国の「蜜月ぶり」が目立つ。その狙いは何か、と訝る声も出ている。

   朝鮮戦争の際に人民解放軍を参戦させた中国と北朝鮮は「血で結ばれた友情」だとされる。最近、この傾向がますます強まっている。

南北朝鮮の統一は、根本的に国益に反する

   金正日総書記は2010年5月と8月に中国を訪問。8月の訪中で訪れたのは中国東北部だが、胡錦涛国家主席が北京から現地に足を運んで首脳会談が行われている。また、10月10日に平壌で行われた軍事パレードの「ひな壇」には、金総書記や正恩氏に並んで、中国共産党の周永康・政治局常務委員の姿もあった。

   さらに、10月26日には、金総書記や正恩氏、同氏の後見人とされる張成沢氏ら、そうそうたるメンバーが平安南道檜倉郡にある中国義勇軍の旧司令部を訪問。戦死者の墓地の前で献花した。毛沢東主席の長男も、ここに埋葬されている。

   北朝鮮問題を40年以上研究しているエイダン・フォスター・カーター・リーズ大学名誉上級研究委員は、外交専門誌「フォーリンポリシー」(電子版)の中で、この訪問について分析している。その中で、

「北朝鮮は感謝の意を表そうとしないものだ。従って、この訪問は極めて特異なことだ。これが何を意味するのか。金親子は、中国にすり寄っている。なぜならば、他にすり寄る相手がいないからだ」

と、中国が北朝鮮にとっては「最後の砦」だとの見方をしている。

   では、中国側の狙いはどこにあるのか。

   カーター氏は、

「中国は最近、『韓国側が主導する形で米国の同盟国として南北朝鮮の統一を果たすことは、根本的に国益に反する』との決定をした。中国は北朝鮮について自国の枠組みを追求し、誰もそれを止められない。金親子に『見捨てられていない』と思わせるために、若干の挑発行為は容認するだろう」
「中国の『衛星国家』になることは屈辱的なことだが、あらゆる意味で、消滅してしまうよりはましだろう」

とみる。

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