JALの更生計画認可 整理解雇「忍び難きを忍んで」

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   会社更生手続き中の日本航空(JAL)と管財人の企業再生支援機構は2010年11月30日の定例会見で、同日午後に東京地裁から更生計画の認可を受けたと発表した。金融機関が約5200億円の債権を放棄し、10年度中にJALグループ内の従業員約1万6000人を削減することが骨子。機構は、12月1日付けで3500億円の公的資金を出資する。

   一部の労働組合が、整理解雇の方針に反発してストを行う意向を示していることについては大西賢社長は「今後とも、協議を行いたい」と述べるにとどまったが、「会社側が『稼働ベース』という考え方を新たに持ち出している」という労組側の主張については、「必要人員を稼働ベースではじくのは、我々の業界では常識」と、不快感をにじませた。

CCUのストの影響は限定的と判断

記者会見に臨む大西賢社長(左)と稲盛和夫会長(右)
記者会見に臨む大西賢社長(左)と稲盛和夫会長(右)

   JALは11月15日の時点で、整理解雇を行う方針を正式に発表したが、複数の労組が、この方針に反発。そのうち、客室乗務員約870人が所属する労組「日本航空キャビンクルーユニオン(CCU)」がスト権を確立し、12月24・25日にストライキを行う方針だ。だが、JALグループには約5400人のCAがおり、CCUの組合員数の割合は大きくないことから、仮にストライキが行われたとしても、運行への影響は限定的だと見られている。

   大西社長は、

「今後とも、真摯に協議を行ってきたい。便の欠航など、お客様に迷惑がかからないように万全の態勢をとりたい」

と述べ、引き続き協議を行いたい方針を示した。また、機構側が「スト権が確立された場合は、3500億円の出資をしない」との意向を示したとされていることについては、

「機構の役割は、一方はJALの管財人。もう一方では、今後の出資者。公的な資金で出資する立場として、その会社の運航が止まる・事業の毀損が起きるようなところに出資はできない、というところもあった」(瀬戸英雄・支援機構委員長)

と、おおむねその事実を認めた上で、CCUによるストの影響が小さいことから、予定通り出資を行う意向を示した。

   整理解雇そのものについては、

「今の状況をみると、『ある段階で整理解雇に踏み込まざるを得ない』と考えているものの、まだその段階に来ていない。引き続き、希望退職を募っていきたい」(大西社長)

と、実際の解雇までは若干のタイムラグが発生する見通しを示したものの、

「忍び難きを忍んででも、社員には分かっていただいて、何としても整理解雇を実施していきたい」(稲盛和夫会長)

と、改めて理解を求めた。

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