インサイダー取引疑惑が続発 増資情報で儲けるメカニズム

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「海外経由で情報やうわさが流れている」

   「いくらくらいの価格なら買うか、市場の動向を探り、新株発行価格を決める参考にする」(証券会社)というもので、国内では事実上、禁止されているが、海外投資家に対しては行われている可能性があるという。このため、「海外経由で情報やうわさが流れている」(市場関係者)との見方が強い。その場合、市場に流れたうわさに基づき取引をしているとすれば、インサイダーに該当する「職務や地位によって知り得た未公開の重要な情報に基づく取引」と認定して摘発するのは難しい。

   東証は、発行価格が決定するまで5営業日の間に空売りを行った投資家の新株割り当てを禁止している米国の制度を参考に、金融庁と規制内容を検討している。ただ、一定の効果は期待できるものの、増資発表前の空売りには規制がかからず、疑惑を払しょくできるかは未知数だ。

   アジア市場が成長する中、東証の「空洞化」に歯止めをかけるには、透明かつ公正な取引が保たれていることが大前提となる。だが、「対応を強化しても、インサイダーにつながる証拠はなかなか出てこない」(市場関係者)のが実情。過剰な規制は逆に取引低迷を招く危険もあり、東証は難しい舵取りを求められる。

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