元女優の酒井法子さん(39)が自叙伝を出すとなれば、考えられるのが芸能界復帰への布石ということだ。しかし、ささやかれていた年内復帰説はないというのだ。
自叙伝の表紙になった酒井法子さんは、すっきりした横顔でなぜか下を見つめるように4分の1回転させた写真になっている。
週刊誌でもロングインタビュー
そのタイトルは、「贖罪」。覚せい剤事件を起こした罪をあがなうために、何か犠牲や代償を捧げるという意味なのだろうか。
酒井さんは、2009年9月17日に保釈会見をしてから、裁判以外の公の場に出ることはなかった。それが、10年11月30日発売号の週刊朝日で、独占インタビューに応じているほか、12月3日には、朝日新聞出版から初の自叙伝を出すというのだ。
ただ、同誌によると、インタビューは2月上旬から始まり、2~4時間のを月に数回行っていた。当初は、すぐ目に涙を浮かべて話に詰まっていたが、夏前ごろから事件について語り出したという。そこでは、当初は逃げる意識はなく自らの薬物使用にも考えが及ばなかったことや、3週間近くも否認したのは長男(11)の旅行の思い出を汚したくなかったことなどを告白している。
さらに、酒井さんは、9月末になって自叙伝を出すことを決意。週刊朝日編集部の担当者によると、インタビューとは別に、朝日新聞出版の編集者と相談しながら、8章で224ページもある本を自らが書いた。生い立ちなどもつづりながら、事件についてもページを割いているという。
初版の部数はそれほど多くないというが、自叙伝の予約は11月29日から始め、問い合わせはかなり多いとしている。
酒井さんについては、一部マスコミから、芸能界への年内復帰説が出ていた。これらの動きは、その布石と考えていいのか。
「福祉の勉強、息子のサポートと余裕ない」
週刊朝日編集部の担当者は、取材に対し、こう断言した。
「今のところ、芸能界復帰は考えていないということですよ。2011年以降のことまではよく分かりませんが、予定はまったく入っていないと聞いています」
その理由については、こう明かしている。
「本人は、まったく余裕がないようですね。大学の通信課程で福祉の勉強をしたり、夫と離婚した後の生活をやりくりしたり、息子さんのサポートもしたりして忙しいようですから」
インタビューは、自叙伝出版に合わせて出したというが、なぜ本を出す気持ちになったかまでは分からないという。タイトルの「贖罪」は、罪を償うのには、きちんとした説明が必要との意味から付けたとしている。
前所属事務所サンミュージックプロダクションの広報担当者は、「うちにはまったく話はなく、初めて聞きました」と明かす。そして、インタビューや自叙伝については、「現状は執行猶予中の身ですので、こうしたことはやるべきではないと思います。復帰についても、今話すことではないでしょう」と否定的だ。
事情に詳しい芸能関係者も、復帰は時期尚早との見方を示す。
「業界の中では、まだみそぎが終わっていないと思います。少なくとも、年内復帰はないでしょう」
とはいえ、酒井さんは、いずれは復帰を目指すのではないかと言う。
「福祉も当座の勉強としてやっているだけで、芸能界しかできる仕事はないはずです。執行猶予が明けてからでは、通用しにくくなるので、まだ許される線として11年夏ごろの復帰になる可能性があります。雑誌や本の反応で様子見をしながら、映画なら復帰しやすいかもしれませんね」