世界での年間販売シェアは約15%で第3位
乾電池は国内に限らず、世界に供給するグローバル商品でもある。パナソニックは自社生産開始間もない1939年には同社初の海外拠点となる中国の上海に乾電池工場を開設するなど早くから海外進出を図り、現在は世界11カ国で生産、89カ国で販売している。近年、先進国では繰り返して使える充電池が普及し、旧来の乾電池の需要は頭打ちになっているが、アジアや中南米など新興国では電化製品の急速な普及で乾電池の需要が伸びている。
乾電池の累計生産で世界1のパナソニックだが、現在の世界での年間販売シェアは約15%で、米国の2社に次ぎ、3位。パナソニックで電池部門を担うパナソニックエナジー社は「乾電池は多くの人にとって、子供の時に初めて出会うパナソニックの製品で、ブランド戦略上も重要だ」と話している。
同社はこれまで国内だけで生産してきた長寿命アルカリ乾電池「エボルタ」の製造拠点を11年3月にタイに開設するなど、乾電池生産・販売の軸足を海外に移す構えで、名実ともに世界トップを目指すようだ。