宣伝放送が再開された場合、何らかの攻撃がある?
だが、「米韓軍事演習中は、北朝鮮は手を出せないのでは」と見るのは、コリア・レポートの辺真一編集長だ。
「北朝鮮は、今回の攻撃で『NLLの不合理性と、休戦協定を平和協定に切り換える必要性を国際社会に迫る』という初期の目的を達成しています。にもかかわらず、米軍の『ジョージ・ワシントン』がいる前では手を出すはずがありません。北朝鮮が太刀打ちできるはずありませんし、北朝鮮も米軍の怖さはよく知っています」
ただし、問題は「軍事演習後」だ。辺編集長は、
「今回の攻撃は、金正日総書記の決定・指示に正恩氏が忠実に従ったもの。父親が、息子に実績を上げさせようとしているんです。次に何かあるとすれば、韓国側が、北朝鮮が主張するところの『領海侵犯』をした時か、非武装地帯で拡声器を使った宣伝放送を再開したときでしょう」
と、今後も緊張関係は続くと予想している。
韓国側は、10年6月に拡声器を設置。その際、北朝鮮側は「照準射撃する」などと警告しており、実際に宣伝放送が再開された場合は、何らかの攻撃が行われる可能性もある。
また、毎日新聞の鈴木琢磨編集委員は、11月26日朝のTBSの情報番組「朝ズバッ!」で、
「北のシナリオでは、これで収めるつもりはない。来週以降、まだまだ何かある。韓国側も、民間人の死者が出たことで、世論が一枚岩になっている」
と話し、北朝鮮が何らかの攻撃を行った際は、韓国側も強い対応に出ざるを得なくなる可能性を指摘している。