「機密費各種選挙に使わないと明言できるか」
鈴木氏は、「週刊ポスト」8月13日号では、マスコミと機密費の関係について言及。
「私が聞いているのは、例えば、総理と政治部長さん方の懇談だとかなんかが定期的にあるでしょう。そういうときは、お車代、お土産をつける」
と回想しつつ、具体的なお車代の金額についても、
「10(万円)だとか、聞いたことはあります。これも申し送りというか、一つの慣例になっていたと思います」
と明かした。さらに、政治評論家などを官邸に呼んで勉強会を開く時についても
「お車代として謝礼を出すのは慣例ですね。20万とか、30万だとか、そのぐらいではなかったかと聞いております」
と述べている。
それ以外にも、TBSの「ニュース23X」や「琉球新報」に対しては、98年11月の沖縄県知事選挙に3億円が投入されたなどと話している(このときの選挙で当選した稲嶺恵一前知事と野中氏は、機密費の投入を否定している)。この機密費投入については、鈴木氏は「新潮45」の中で、
「私たちが踏んだ誤った轍を、新しい政治家の皆さんには踏んでもらいたくない、地方選挙に巨額の官房機密費が投入され、民意を歪めるようなことはあるべきではない」
と警告しているが、民主党政権に「聞く耳」があるかは不明だ。
共産党の塩川鉄也衆院議員は、
「菅内閣は、内閣官房報償費(機密費)を今秋に予定されている沖縄県知事選挙はもちろん、名護市議会議員選挙など各種選挙に使わないと明言できるか」
との質問主意書を提出したが、菅内閣は8月20日付けで
「お尋ねについては、内閣官房報償費の性格上、お答えを差し控えたい」
と回答。選挙工作に機密費が投じられる可能性を否定していない。