高橋洋一の民主党ウォッチ
「日銀法改正」試される民主の度量 みんなの党案に乗れるか

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みんなの党法案を堂々と国会で議論すればいい

   問題は民主党の党内事情だ。インフレ目標は民主党のマニフェストに書かれていない。そのため、民主党では、民主党の政策調査会・財務金融部門会議で検討されている段階だ。かつての自民党政権であれば、与党内プロセス(具体的には自民党総務会における全会一致の可決)による賛同なしでは、法案を成立させることはできなかった。例外は小泉政権の郵政民営化である。

   民主党は自民党と同じように行わなくてもいいだろう。みんなの党が法案を出したのだから、堂々と国会で議論すればいい。それが、開かれた民主党のイメージにふさわしい。なにより、ほとんど同じ考えの案が国会に出ているのだから、もう民主党内で勉強しているような段階ではないはずだ。

   国会議員の仕事は法律を作ることだ。しかし、与党になると、法律案は政府(具体的には官僚)が用意してそれを追認するだけに終わってしまう。だから、与党法案は、ほとんど内閣提案法律(閣法)になってしまう。

   この際、国会運営まで変える意味で、民主党がみんなの党の法案を国会で審議し、必要であれば修正することが、ねじれ国会にふさわしく、本当の開かれた民主主義のいい見本になると思うが、どうであろうか。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。著書に「さらば財務省!」、「日本は財政危機ではない!」、「恐慌は日本の大チャンス」(いずれも講談社)など。


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