北朝鮮の韓国砲撃で政府が一転して朝鮮学校無償化を停止したことに、無償化が必要だったのかと疑問が相次いでいる。教育内容を問わないとしていたが、そもそも本国の政治体制を絶対視する教育そのものに問題があったのではないかというわけだ。
朝鮮学校への高校無償化適用に異論を唱えていた大阪府の橋下徹知事が、政府の方針転換にまた噛みついた。
「朝鮮学校をめぐる問題はきれいごとじゃない」
砲撃事件を受けて政府が無償化手続きのいったん停止を明らかにしたことに、2010年11月24日の会見で、判断がブレているのではと疑問を呈したのだ。
この問題で、文科省は同5日に、教育内容を問わずに適用を判断すると発表。反日教育をしているとされる朝鮮学校には、自主的改善を促すとしただけで、事実上無償化へのゴーサインを出した。橋下知事は、今回の方針転換は、拉致などの外交問題で判断しないとしていたこととも整合性が取れないと言いたいわけだ。
大阪府では、朝鮮学校支援に対し、いくつかの問題点を指摘している。
私学大学課によると、それはまず、学校法人として政治的に中立でなく、教室内に金日成・正日親子の肖像画を掲げていることだ。また、朝鮮総連の影響下にあり、特定の政治団体と関係があることがある。学習指導要領に準じているかも疑問があり、学校の財務状況を一般公開していないことも挙げている。
こうしたことから、橋下知事は、朝鮮学校を3月に視察して、上記4点を改善するよう要請。それまでの間、学校運営や授業料の10年度補助金2億円近くの支払いを留保している。文科省が朝鮮学校無償化を打ち出したときも、記者団に対し「国は現場を知らなすぎる。朝鮮学校をめぐる問題はきれいごとじゃない」と批判していた。
ほかの都道府県でも、無償化適用への疑問が相次いでおり、神奈川県の松沢成文知事も、12月からの学校運営の補助金約5000万円の支払いを留保している。