「トヨタグループ内にはEVで出遅れたとの焦りがある」
日本のエコブームはとどまるところを知らず、これが近くEVブームに火をつける可能性も少なくない。いち早くEVを市販化した三菱自動車、リーフの目標販売台数を発売前に予約で埋めた日産自動車を前に「トヨタグループ内にはEVで出遅れたとの焦りがある」(トヨタ子会社関係者)ことは否めない。実際に販売現場では「トヨタはEVを出さないのか、と尋ねてくるお客さまが増えてきた」(トヨタ系列ディーラー)との声が聞こえ始めている。
今回の発表は、まずグループ内の焦燥感を鎮静する意味合いが大きい。「EVのような全く新しい商品は、市場投入以降のお客様の反応次第でその後の見通しが決まる」と内山田副社長が話すように、現状のトヨタEvの将来性は未知数。トヨタが初代「プリウス」を発売した1997年当時、ここまでHVが新車市場を席巻する存在になることを予見した者は少ない。HVと同じように、今後トヨタのEVが大化けする可能性は十分にあり得る。ただ、トヨタのEV生産・販売に対する本気度は、HVでトヨタに市場の主導権を握られた他メーカーよりも圧倒的に低いことは確かだ。