「来たいと思えば、毎日でも来られる」
中国側と日本側のやり取りも、中国側の領土問題に対する立場を強く反映している。日本側が、「いつ、この海域を離れるのか」と聞いたところ、中国側は
「釣魚島は中国固有の神聖な領土で、今後、この海域での航行を常態化させる」
と反発。「常態化」の意味を問われると、
「来たいと思えば、すぐ来られる。毎日でも来られる」
と開き直ったという。この中国側の答えには、「日本側は、しばらく言葉につまった」という。
記事は、船団が中国貨物船から
「釣魚島は我々の領土で、漁業機構は恐れる必要はない。我々はあなた方を支持する!」
という応援の声を受ける場面で締めくくられている。
ただし、中国メディアがこの種のルポを掲載するのは、初めてではない。衝突事件直後の9月19日には、「環球時報」が「魚政202」の同乗ルポを掲載。日本側が水域から離れるように求めるのに対し、中国側が
「釣魚島は、昔から中国領だ。従って、我々は中国領海をパトロールしている。水域から出て、中国船に対する違法な嫌がらせはやめろ」
などと反論する様子が報じられている。
いずれのケースも、中国側が尖閣諸島の領有権を主張していることを、国内向けにアピールし、日本をけん制する狙いもあるものとみられる。