シンガポールやインドネシアにも
人材会社パソナグローバルが9月、中国での就職に興味がある人を対象に行ったセミナーには、当初の予想を越える200人が参加。30代が多かったが、学生も約2割いて、盛況だったという。
中国以外の東南アジア圏に就職しようという若者も増えている。女性向けの海外キャリア支援を行っているCTS東京によると、09年頃から、シンガポールやインドネシア、フィリピンなどの東南アジアでの就職や有給インターンを希望する学生が急増。海外エアラインの客室乗務員や外資系ホテルなど、ホスピタリティ業界を志望する人が多いという。
同社代表の滝川奈穂さんは、
「当初は20~30代の、ある程度キャリアのある人を想定していたのですが、国内での就職も厳しいこともあって、大学4年生が『国内でキャリアが望めなかったら海外へ』と応募するケースが多いです。フィリピンやインドネシアで5つ星外資系ホテルとかだったら、キャリアとしては日本で就職するよりいいかもしれません。生活費も安いし気候も温暖で、気持ち的にも余裕がありますよ」
と話している。
日本総研が09年に発表したレポートでは、日本人の国外流出数は、07年10月~08年9月の1年間で10万人を突破。20代から40代など若い世代が中心で、最近の若者の内向き志向が話題になる中、過去20年間で最大だったという。