「矯正効果は出ている」の声も
「刑事政策概論」(成文堂)の共著などがある福岡大学法学部の平田紳教授に、再犯率の数字をどうみるか聞いてみた。
平田教授は、「(強姦・強盗の)4割も再犯したと問題視するか、6割は再犯しなかったと評価するか、矯正効果についての見方は分かれるでしょう」としつつ、教授自身は「矯正効果は出ている」と一定の評価をする考えを示した。「けっして低い数字ではないが、矯正効果を否定するような驚くほどの数字ではない」という。
刑務所などでの矯正・更生への取り組みの充実が一層必要なことは言うまでもないが、出所後の職や住居の確保に社会が協力することも重要だと指摘する。雇用への協力者が以前は比較的多かった土木・建築分野が公共工事削減などの影響を受け、以前ほど協力できない状態になっていることを教授は懸念している。
平田教授は「何にせよ、政府は無策といっていい。一部の民間の人の善意に頼りすぎで関連予算も低すぎる」と話し、再犯率は施策によって下げていくことが可能だとの見方を示した。