「マスコミはウソばっかり書くでしょ。アメリカ進出だとか」
押尾被告が同誌のカメラマンと記者の姿を見つけると、自分から手を挙げて近づいたといい、記者が声をかけると
「分かってるでしょ、僕がどういう状況か。イジめるようなことは、もうやめてくれませんか?」
「こうしてメディアに話すのは本当に1年ぶりだけど、マスコミはウソばっかり書くでしょ。アメリカ進出だとか、現地でデビューの話とか」
と、マスコミに対する警戒感を隠さなかった。
さらに、
「全部ウソだからね。見殺しにしたとか。見殺しになんかしてないから」
と、改めて自らの無実を主張した。ただし、誌面で確認できる限りでは、事件直後、押尾被告の知人が繰り返し110番通報するように求めたが、これを事実上無視したことについては、特に具体的な反論はしていないようだ。
批判の矛先は、マスコミだけではなく、判決内容にも向けられた。
「裁判で僕が話した事実が伝わってないから。マスコミがウソばっかり書くから」
と、控訴理由について従来の主張を繰り返し、裁判員制度の影響について聞かれると、
「うーん、それもあるだろうけど…」
と、裁判員がマスコミ報道の影響を受けたとの見方すら示唆した。
なお、控訴審は職業裁判官のみが判断することになっており、11年1月にも開かれる見通し。押尾被告は定期的に弁護団とミーティングを行っているといい、1審同様に無罪を主張するものとみられる。