尖閣漁船衝突事件でも「失言」
「素人」の大臣就任には当初から民主党内にも不安の声があった。尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件の船長釈放をめぐっては、柳田法相は参院予算委で「私が(釈放を)決める前に…」と、「釈放は捜査当局の判断」とする政府見解を覆し政治介入を認めるような発言をしかかり、後に「言い間違い」と弁明したこともあった。失言に伴い、「大臣としての資質」は、これまでにも野党からたびたび問題視されていた。
柳田法相の広島県福山市にある後援会事務所は、何度電話しても留守番電話で「後ほどおかけ直しください」とのアナウンスが流れていた。問題発言があった地元会合に出席していたというある男性は、「(法相)本人も国会で謝罪したことだし、今更かばうとか、かばわないとかではなく、今後の対応を見守りたい」と話していた。問責決議案提出の動きなど進退問題については「早く無事収拾されることを期待している」という。
11月18日午後には、みんなの党の渡辺喜美代表も、柳田法相の問責決議案が参院で出た場合の対応について「当然(賛成)だ」と話した。与党が過半数割れしている参院では、提出されれば可決される情勢となった。与党内からは「辞任やむなし」論も浮上している。