メガバンクとの再編の噂も絶えず
だが、計画通りに返済が進むかは不透明な面もある。細谷会長は11月12日の決算会見でも、完済計画について「経営者として先手を打った」と胸を張ったが、発行済み株式数が増えることによる1株あたりの利益の希薄化を嫌気して、りそなHD株の終値は増資発表前日の612円から12日は478円へ、2割以上下落した。
りそなHDは優先株の配当負担が減る分を普通株式の増配に回す方針も発表したが、株価低迷が続けば増資はおぼつかない。また、5年程度で公的資金完済にめどをつける方針についても、現状の利益水準を維持できることが前提で、景気悪化などで業績が低迷すれば実現は難しくなる。
いずれいせよ、混とんとしていた脱国有化への道が見えてきたのは事実。りそなHDは堅実なビジネスモデルや信託機能が評価されており、メガバンクとの再編の噂も絶えない。巨額の公的資金がネックで進まなかった再編が動き出す可能性もあり、りそなHD周辺は騒がしくなりそうだ。