2010年の日本カー・オブ・ザ・イヤーがホンダのハイブリッド(HV)スポーツカー、CR-Zに決定した。HVカーとしては世界初の本格スポーツカーで、燃費の良さと走りの楽しさをスタイリッシュなボディで両立した点が高く評価された。
HVカーの日本カー・オブ・ザ・イヤーの受賞は09年のトヨタプリウスに続いて2年連続、ホンダの受賞は07年のフィット以来、3年ぶり。CR-Zはスポーツカーとして予想を上回るヒット作で、今年の自動車市場に一石を投じたことから、日本カー・オブ・ザ・イヤーの本命と見られていた。
「運転してワクワクするクルマを作りたいと思った」
今年の日本カー・オブ・ザ・イヤーは、09年10月から10年9月までに発表または発売された国内外の乗用車が対象で、44台のノミネート車の中から上位10台が最終選考に回り、自動車評論家、自動車ジャーナリストら選考委員60人の投票で決定。ホンダCR-Zは得票406点で、2位のフォルクスワーゲンポロの397点を辛くも交わした。以下は、3位がスズキスイフトの228点、4位がプジョーRCZの190点、5位は日産マーチの67点だった。
日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員会はホンダCR-Zの受賞理由について「HV技術による燃費の良さと走りの楽しさを高い次元で両立できることを証明し、いち早く量産モデルにしたことを高く評価した」とコメント。
受賞式でホンダの開発責任者、友部了夫氏は「CR-Zの実力で取ったと自負している」とユーモアを交えて語り、会場の笑いを誘った。友部氏は「HVで新しい価値観を作りたかった」と強調。「クルマ社会を元気にしていこうという願いを込め、運転してワクワクするクルマを作りたいと思った。カッコ良くてワクワクするクルマをお客様も理解してくれた結果だ」などと喜びを語った。