「企業は就活生をググっている」 コンサルタント発言に賛否両論

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   企業の人事担当者は、就職・転職活動中の人のツイッターなどをこっそり調べている――。あるキャリアコンサルタントが、ブログでこう指摘したところ、その見方に対し、賛否両論が出ている。

   指摘したのは、大手就職予備校の講師を務めたこともあるキャリアコンサルタントの斉藤光男さんだ。

「人事担当者に見られたら不採用も」

主張には賛否両論が
主張には賛否両論が

   斉藤さんは、自らのブログ「はてな就活><(仮)」で2010年11月14日、こう書き込んだ。

   「facebookやtwitterを使うということは、人生の可能性を広げると同時に、たいへんなリスクも負うということ」

   例えば、顔出しした女子学生が込み入った恋愛のつぶやきをしていたり、実名を出して「第一志望はこの業界です」と公言する人がいたり…。こんなケースを最近、ツイッター上で見かけるという。これらが企業の人事担当者に見られたら、不採用にされる場合もあるというのだ。

   アメリカでは、求人サイトが08年に行った調査によると、企業の人事担当者の22%がSNSを使って就職希望者の情報を集め、うち34%は希望者のネット上の書き込みが原因で不採用にしていた。斉藤さんはこのことを紹介したうえで、「意識の高い(あるいは執念深い)人事は、最終面接までにグーグル先生に志望者の名前を入れて検索してます」と指摘。ブログにTOEICのスコアを詐称して内定を得たと書き込んで炎上した国立大学生のことや匿名ブログでもアカウント名などで検索できることなどを挙げて、こう警告している。

   「『インターネットへの書き込みは、もう一つのエントリーシート』 そう意識して使わなければならない時代になりました」

   斉藤さんのブログは、ネット上で注目を集め、ツイッターでは、「長年書いたブログやツイッターを読めば、一瞬の面接より人柄がわかりそう」「身バレ警戒しないでWebサービス使う学生の気がしれない」などと反響が出ている。ブログには、はてなブックマークが100以上付いており、斉藤さんもツイッター上で、半日で閲覧が8000PVもあったことを明かしている。

IT企業「会って話をしないと分からない」

   日本の企業には、実際に就職希望者のブログなどをチェックしていることを明かすケースもある。

   IT企業「はてな」がそうだ。同社の近藤淳也社長は、2005年12月15日のブログで、就職希望者のブログを何か月分も読むことがあるとして、「『興味深いブログを書いている人』の採用率がとても高い」と明かしている。ネットサービスのスキルが分かるばかりでなく、1年かけたブログなら、希望者の本当の姿、興味、性格などが分かるというのだ。

   一方、採用活動でのネットの重要性を認めながら、ブログなどは参考にしないという企業もある。

   同じIT企業の「ECナビ」は、宇佐美進典社長が11年度採用に際してツイッターで希望者を募り、話題を集めた。しかし、広報担当者は、こう言う。

   「ツイッターは、あくまで入り口です。手書きの書類を書いてもらい、本人に会って話をしないと分からないと考えており、ツイッターの内容などは採用の基準にしていません」

   ツイッターで呼びかけて就活生向け座談会を開いたところ、採用したい学生が多く見つかったことがきっかけだったという。今回は、100人を受け付け、そのうち1人が入社予定になっている。

   人事コンサルティング「Joe's Labo」代表の城繁幸さんは、ブログなどのチェックが広まることには懐疑的だ。

   「日本のネットは匿名文化であり、実名を公開していないことが多いからです。大手企業は、希望者の数が多く、そんな中でチェックに時間をかけるほどヒマではありません。数人を採用するような一部のITベンチャーなどに限られるでしょう。最終面接ですることも考えられますが、人事の組織ではなく個人レベルだと思いますよ。人事部長や役員クラスなら、細かいことを調べずに、面接で評価するのでは。就活生には、ネット上で実名を書くなら変なことはするな、とだけアドバイスしたいと思います」

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