安くていいモノものは早い者勝ち
「過去最高」の売れ行きをみせる薄型テレビだが、そうなると気になるのが在庫だ。人気の商品はすでに在庫切れが心配されており、消費者をやきもきさせている。BCNは「駆け込みが急増して需要に応えきれずに、販売店が在庫切れに陥るかもしれない」と懸念。「販売台数が頭打ちになる恐れがある」とも話している。
在庫不足となれば価格の上昇が心配だが、価格について家電量販店は、コジマが「お答えできません」としたほか、ヤマダ電機が「値上がりはありません」、エディオングループも「在庫は十分用意していますし、値上げはありません」という。ビックカメラも「在庫不足を理由に値上げすることはありません。市場価格を見ながら、適正な価格を決めています」と、各社が値上がりを否定している。
しかし、カカクコムの購買支援サイト「価格.com」で、たとえば売れ筋の東芝「LED REGZA 42インチ」の価格変動履歴をみると、11月9~11日のわずか3日間で2000円近く上昇していて、カカクコムでは「10月のエコポイントの見直し以降から、高いものでは2万円ほど上昇している商品もあります」(広報室)と話す。
ただ、これにはちょっとした「カラクリ」があって、「実際には同じ商品でも値段の安いところから売れていくので、後から買う消費者の目には結果的に高いものが残って、値上がりしたように見えるんです」と説明する。
また、約4000の家電量販店を調査するジーエフケー マーケティングサービス・ジャパンは、「薄型テレビの平均価格は9月に8万円を割り込んでから一進一退でしたが、ここ最近で8万円近くに戻ってきています」と話している。
やはり、安くていいモノは早いもの勝ちのようだ。