APEC記者たちの「不自由な取材」 情報源はほとんど専用サイトだけ

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   横浜市で開かれていたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議が2010年11月14日、閉幕した。世界中から多くのメディアが訪れたが、公式行事では取材枠が限られており、記者の多くが詰めていたのは、会議場に隣接した国際メディアセンター(IMC)。IMC内のモニターには、首脳宣言発表などの様子が中継され、多くの記者が集まってメモを取っていた。

   APECの記者証が発給されたとしても、決して会議を自由に取材できる訳ではない。

国際展示場が拠点の国際メディアセンターに

首脳宣言の発表をIMCのモニターで見守る記者たち
首脳宣言の発表をIMCのモニターで見守る記者たち

   みなとみらい線の「みなとみらい駅」を出てすぐの「クイーンズスクエア横浜」に保安検査場があり、そこからAPEC会場のパシフィコ横浜に向かうのだが、会議関係者は右手に見える国際会議場、報道陣は左手に見える国際展示場に誘導される。この国際展示場が、APEC期間中は国際メディアセンター(IMC)として報道陣に開放されており、取材拠点になっている。

   IMCには、各社が最低9万円程度を負担して設置する専用ブースと、放送・新聞・通信20社の共用作業室がある。それ以外に、共用スペースに約800席があり、LANの接続端子やPC用の電源が備えられている。飲み物や、菓子パン、サンドイッチ、おにぎりなどの軽食も提供されている。食べ物については、種類が少ないと感じる人も多かったようで、会場内のコンビニでカップ麺を購入して食べる人も続出していた。

   共用スペースでは、各国のメディアがVTRの編集や原稿書き、ラジオ用レポートの吹き込みをしていたほか、専用ブースに人員を収容しきれなかった日本メディアも、机に社名を書いた紙を置くなどして場所取りをしていた。

   記者にとっての主な情報源が、会場内LANからしか接続できない専用ウェブサイトだ。各国首脳が羽田空港や成田空港に到着する時間やスポット名が公開されているほか、ワーキングランチなどの公式行事のスケジュールが掲載されている。

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