「何で左翼ってこんな…」の声も
この雁屋さんブログに対し、2ちゃんねるでは多数のスレッド(話題提供のための「板」)が立ち、中には約1000件の書き込みがあるスレッドもあった。複数見た範囲では、11月10日から反応が始まっており、「売国日本人」「なんでこんなに自分の国のこと嫌いになれるかなあ」などの反発の声が多く寄せられている。いわゆる放送禁止用語の侮蔑言葉を投げつける書き込みも多い。雁屋さんの尖閣問題をめぐる認識よりも、ブログ前段で登場した「歴史認識」への反発が多い様子もうかがえる。
しかし、雁屋さんは同じブログで、衝突事件以降、「日中友好を声高に言えなくなっているのではないか」との現状認識を示しており、2ちゃんねるでみられた様な反応が出ることは折り込み済みのようだ。「このような状況だからこそ、私は、周囲の声に逆らって、敢えて、中国の人々との友好を深めようと強く言いたいのだ」とも書いている。
こうした雁屋さんの意見に対しては、「何で左翼ってこんなアホウばっかりなんだ?」(2ちゃんねる、11月10日)との批判も多い。雁屋さん自身は、自己サイトの著書紹介欄の中で、「こんな本(「戦争中日本軍がオーストラリア人らにしたことなどの一部をまとめたもの、1995年出版」)を書いたおかげで、私は、『左翼』扱いをされるようになりました」と書いた上で、「今の世の中で、右だの左だの言う事自体、とても遅れていますね」と、そうした「レッテル張り」を退けている。
10年11月13日からは、横浜市でAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議が始まる。11日夕現在、同会議期間中に日中首脳会談が実現するかどうかは、はっきりしないままだ。菅直人首相は11日、「会談ができるかは、中国側で判断されること」と記者団に説明した。