高橋洋一の民主党ウォッチ
事業仕分けは単なる参考意見 官僚の高笑い聞こえてくる

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目立ちたがる民主党議員

   こうしたプロセスは、手順が重要で、下手に誰かがパフォーマンスをすると、まとまるものもまとまらなくなる。

   民主党の事業仕分けをみていると、とても最後の制度改正や予算まで見込んだ行動のようには見えない。たしかに、国民にいろいろな面を見せたという点は評価できるが、最後の結果の方がより重要だ。

   しかし、事業仕分けは、政府内における法律上根拠のない参考意見に過ぎないために、なかなか最後までいかない。さらに、本来国会議員は、国会で仕事をするのは当然だ。だから、国会法39条では、国会議員の総理大臣などを除く公務員との兼職を禁止している。事業仕分けにでた国会議員は、本職の国会ではなく、場外の仕分け会場にいたわけであるから、それは本業ではない「ヒマつぶし」と何ら変わらない。しかも、国会が開催中なのだ。

   しかし、国会議員は、事業仕分けはテレビに取り上げてくれるので、是非ともでたいという人が多い。ある国会議員は、事業仕分けの魅力はなんといってもテレビに出られることだと白状していた。そうした事情から、今回はやたらと国会議員が多かった。民間の人はほとんどが財務省からの声がかかって参加していたが、ある人は「国会議員が多く、彼らは目立ちたがり屋なので、何でも質問するから、高度な専門的な議論ができなかった」とぼやいていた。事業仕分けが政治ショーなので、民主党議員が出しゃばることは制止できない。

   事業仕分けがお笑いになったのは、これまで判定が無視された案件についての再仕分けという話だ。これまでの仕分け判定を閣議決定すればいいのに、再び仕分けしようとは呆れる。また無視されたら再々仕分けを行うのか。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。著書に「さらば財務省!」、「日本は財政危機ではない!」、「恐慌は日本の大チャンス」(いずれも講談社)など。


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