YouTube(ユーチューブ)に流出した尖閣ビデオについて、海上保安庁の男性職員が2010年11月10日、「自分がやった」と告白したが、職員が所属する第5管区海上保安本部(神戸市)では、PRイベントの様子のほか、実際の救助シーンも公開、ユーチューブを積極的に広報活動に採用していた。
5管本部は日本海側を除く、兵庫、大阪、和歌山、徳島、高知の各府県の沿岸地域を管轄。海上保安庁としては珍しく、ユーチューブに公式チャンネルを持っている。
実際の救助を「躍動感あふれる映像で配信」
アカウントは「gokaiho」で、2009年12月に開設された。現在までに13の動画がアップされている。PRイベントで放水する船艇などを写した動画のほか、実際の救助シーンもある。
09年11月、三重県で座礁したフェリー「ありあけ」の救助を収めた1分弱の動画では、中型ヘリコプターからロープを伝って降りてきた海保職員が、乗員と一緒に引き揚げられるシーンが収められている。その後、船が横転する場面も入っている。別の動画では、夜間荒波に揉まれる船から乗員をヘリコプターに引き揚げている。いずれも迫力十分だ。
また職員が供述する前日、11月9日に配信された動画では、PRイベントで行われた公開訓練シーンを収録。逃走する船を海保の船で包囲するという訓練で、5管本部によると普段やっている訓練と同じ内容だという。
5管本部HPのトップには、ユーチューブへのリンクが貼られており、「インターネット上の動画コンテンツ共有サイトYouTubeを利用して、海難救助やイベント等の躍動感あふれる映像を配信しています」と説明が付いている。