NTTドコモが売り出した韓国サムスン電子製のスマートフォン(多機能携帯電話)「ギャラクシーS」が好調だ。発売前から予約が殺到し、一部の販売ランキングではアップルの「アイフォーン(iPhone)」を追い抜いたという。
ギャラクシーSは、米グーグルが開発した基本ソフト(OS)「アンドロイド」を搭載。世界的にはアイフォーンをとらえつつある「アンドロイドケータイ」で、国内でもアイフォーン独占の時代に終止符を打つことができるか。
「フラッシュ」見られるのが強み
サムスン電子が開発したギャラクシーSは、欧米市場でも人気のモデルだ。操作性はアイフォーンに似ているが、ディスプレーに有機ELを採用して色彩を鮮やかに表現できるのが特徴。アイフォーンでは見られない「フラッシュ」を使った動画などのコンテンツも表示されるため、ウェブサイトの閲覧に適している。軽さや持ちやすさ、薄さもセールスポイントだ。
2010年10月28日の発売前から人気は高く、予約台数は約5万台に上った。ドコモは2010年4月に、ソニーエリクソン製スマートフォン「エクスペリア」を投入したが、同社広報部によると、「予約のペースはギャラクシーSの方が速かった」という。
日本のスマートフォン市場は、アイフォーンの独占状態が続いている。MM総研が10月26日に発表した、2010年度上期の国内スマートフォン出荷台数は223万台で前年同期の2倍以上と急増、そのうちアップルが60.1%を占めた。だが、「ITメディア」がマーケティング会社GfK Japanのデータを基に発表した携帯電話のキャリア別販売ランキングを見ると、10月25日~31日の週は、ギャラクシーSがアイフォーンを抜いて首位に立った。これまで独壇場だったアイフォーンに対抗する強敵が現れたことを示したとも言える。