ツキノワグマ「山に返さないで」 「また戻ってくる」と住民が訴え

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西日本の20県では「狩猟禁止」

   ツキノワグマは、長野県や秋田県には比較的多く生息し、住宅地に出没した場合はやむなく射殺するケースもある。だが、下北半島、紀伊半島、東中国地域、西中国地域、中国山地、九州地方では、環境省のレッドデータブックで「絶滅のおそれのある地域個体群」に指定されている。岡山県内では、10頭程度しか生息していないとみられ、07年の環境省のまとめでは、西日本の20県では、条例などで狩猟が禁止されている。

   このことから、県ではクマを捕獲した場合、唐辛子スプレーをかけて「人里に近づくと怖い」ことを学ばせた上で、識別タグをつけて山に放している。

   だが、前出のようにクマの出没は急増しており、11月1日に北部の奈義町で錯誤捕獲されたクマにはタグがついていた。つまり、一度山に放したクマが戻って来てしまった形で、この様なケースは、岡山県が把握している限りでは県内では初めてだ。

   このことから、前出の美作市などの4自治体が11月8日、石井正弘知事に対して、「山に放す」といった保護を重点に置いた対策だけでなく、安全対策を求める要望書を提出した。

   県では、早急に対策を講じたい考えだが、

「『山に放すな』ということは『飼え』ということになる可能性が高い。野生動物なので、これは望ましくないのでは」

と、具体策の検討にはまだ着手できていない状況だ。

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