中国漁船米軍にも「いやがらせ」  「尖閣」漁船は海軍「スパイ」なのか

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中国軍艦2隻が漁船から弾薬・燃料の補給を受ける

   09年の米国防総省の報告書によれば、08年5月には、中国の軍艦2隻が浙江省沖で、民兵組織に属する漁船から弾薬・燃料の補給を受けている。また、09年3月には、米海軍の調査船「インペッカブル」が南シナ海の公海上で中国船5隻に異常接近されるなどの妨害行為を受けた。この5隻には、中国艦船以外にも、漁業監視船や、トロール漁船が含まれている。

   軍と漁船が協調して妨害活動を行っていることが明らかになった形だ。また、漁船の船員は、米国側に対して下着を見せ、からかうような仕草を見せたという。この妨害行為については、前出のブラスコ氏は、

「中国政府は、自国の主権が及ぶと考えている地域を、軍隊と民間(の両方)が守る能力があるということを示そうとしたのでは」

とみている。

   それ以外にも、今回の衝突事件の漁船と、軍や情報機関との関連を疑う声がある。衝突事件の直後、中国政府は丹羽宇一郎・駐中国大使を数回にわたって呼び出しているが、4回目に呼び出したのが戴秉国・国務委員(副総理級)。中国外交のトップでもある戴国務委員が自ら登場するのは異例だが、戴国務委員は、旧ソ連大使館員やハンガリー大使時代に「インテリジェンス畑」を歩んでおり、現在は人民解放軍の諜報部門を事実上統括しているとされる。このことから、「尖閣諸島で衝突した『漁船』には諜報機関の影があるからこそ、めったに表に出てこない戴国務委員が、わざわざ登場したのでは」見方も浮上している。

   さらに、この漁船をめぐっては、(1)6~7人の船員が甲板に乗っていたが、衝突の直前に全員が船室に引き上げた(2)1回のみならず、2回も巡視船に接近する形で接触してきた、という点からも、「普通の漁船であるはずがない」との見方もある。

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