「確認しようのないことを持ち出すのが常套手段」
2010年3月にワールド社の社名公表に踏み切り、注意を呼びかけていた国民生活センターによると、このときには社長が自主的に再発防止策を提出したという。国民生活センターは「その後、返金に応じたケースもあったのですが、結局、相談件数は減ることはありませんでした」と明かす。
未公開株や為替取引をはじめ、最近は高齢者への投資トラブルが相次いでいるが、「今回の件では、ガーナでの採掘権など、消費者が確かめられないことを掲げて、強引にお金を出させていました。そういった手口が常套手段のようで、投資トラブルにほぼ共通しています」と話す。
一方、金融商品を所管する金融庁が「警告書」を発出するのも今回が初めて。ただ、ワールド社の社債販売について、国民生活センターが社名を公表した3月の段階でトラブルがあることを知り、「実態解明をしていく必要がある」と認識していた。それから半年経つまで有効な手立てを打てなかったことについて、「事実の解明はなかなかむずかしく、確証を得るまで時間がかかる」と説明する。
ワールド社の経営実態の把握に向けて、近く証券取引等監視委員会が検査に入る。「捜査当局への情報提供も行う」と話す。