中国の「隠れ」ツイッター利用者 VPN使い政府の「情報障壁」破る

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   中国ではツイッターをはじめユーチューブ、SNSのフェースブックへのアクセスが制限されている。だがツイッターについては、中国国内で20万人ともいわれる「隠れユーザー」が存在するようだ。

   中国当局は、インターネット通信を管理し、特定のウェブサイトへの接続を規制する強力なシステムを設けている。ツイッターに書き込んでいるのは、当局の「壁」を破れる手段を知っているITリテラシーの高い人たちだ。

「海外のサーバーを経由して接続する」をうたい文句

iPadやアイフォーンならツイッター接続可能
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   2010年のノーベル平和賞に輝いた劉暁波氏夫人の劉霞さんが2010年10月、中国当局から外部との接触を制限されるなか、ツイッターで情報発信をしていたことが注目を集めた。

   中国では、ツイッターの公式ウェブサイトへのアクセスは遮断されている。その理由は政府が「グレート・ファイアーウォール」と呼ばれる巨大なネットの検閲システムをつくりあげ、ツイッターを含む一部のサイトや、政府にとって不都合な情報に国民が接続できないようにしているためだ。例えば検索ワードで「チベット」「天安門事件」などと入れても結果が表示されないのは、このシステムが働いているためと見られる。

   ツイッターにアクセスするには、この「壁」を破らねばならない。そのための方法で最近よく取られるものが、VPN(仮想私設通信網)の使用だ。一般的には企業が、国内外の拠点をネットワークでつなぐために使われることが多いサービスで、通常のネット接続より安全性が高い。調べてみると、中国でVPNサービスを提供する通信業者は、「海外のサーバーを経由して接続する」をうたい文句にするところが多い。中国国内のサーバーを介さなければ当局の検閲システムにひっかかる可能性が低く、「禁止サイト」にもアクセスできるからだ。

   「実は中国では、ツイッターやフェースブックの利用を禁じる法的根拠はありません」と話すのは、中国のネット事情に詳しいノンフィクションライターの安田峰俊氏。VPNも、年間100元(約1200円)程度で利用できるものがあるという。とは言え、中国政府が都合の悪い情報を遮断したいのは間違いないようで、安田氏がITに詳しい中国人から聞いたところによると、今後政府がVPN業者を選別するのではないかとの話も出ているようだ。そうなれば、VPNを使ったツイッター接続は難しくなると考えられる。

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