介護保険料安くする「奥の手」 同居親子に世帯分離が広がる?

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人口減でも世帯数増加の自治体も

   ただ注意点もある。世帯分離はそもそも保険料減額のために設けられた制度ではない。自治体によっては、あまりに無理な申請は却下する可能性もある。

   また、低所得者軽減に該当するかどうかは、その年の4月1日の状況によって決まるという。世帯分離したからといってすぐに軽減措置がとられるわけではなく、新しい年度まで待たなければならない。

   世帯分離が増えているとの報道もある。10月18日付の北國新聞によると石川県では、2004年度に金沢や羽咋など7市町で世帯分離の届出数が1069件だったのに対し、09年度は1352件に達した。また2000~09年の10年間、県内の人口は減少したが世帯数は逆に増加したという。世帯数増は世帯分離も影響しているようだ。

   総務省が出している都道府県別の人口と世帯数のデータを見ると、2000年~09年の10年間、福島県や奈良県、島根県、徳島県、宮崎県などで人口は一貫して減少しているにもかかわらず、世帯数は逆に「右肩上がり」で増え続けているのだ。

   その理由について福島県庁統計調査課に取材すると、人口の減少は県外への流出が原因としたが、世帯数の増加については「具体的な要因は分からない」と言う。世帯分離の増加が背景にあるのではとの問いにも、回答を避けた。

   奈良県庁統計課も、世帯数の増加について細かな分析はしていないとする一方、「奈良県に限らず一般的な話として」と断ったうえで「例えば結婚を機に世帯が分かれたり、子どもが親元を離れて単身世帯ができたりして世帯数増加につながったのかもしれない」との見方を示した。ただ福島同様、世帯分離がなぜ増えたかについては「分からない」とのことだった。

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