「明らかにぶつかってきている」
今回のビデオ公開が、前原大臣が「一目瞭然」と言っていたほどの結果をもたらさなかったのは、「編集」の影響なのだろうか。だとすれば、映像公開で完全に白黒がついてしまっては中国側のメンツをつぶすことになるので、あえて議論の余地を残す形に「編集」したのではないか、との憶測も呼びそうだ。
もっとも、新聞各紙をみるかぎり、概ね「明らかにぶつかってきている」(大門実紀史・参院議員=共産党=、産経新聞掲載)などの反応の方が多そうではある。
ビデオ公開の後、視聴議員のひとり、自民党の武部勤・衆院予算委員会筆頭理事は「(事件の)実態を明らかにするためにも、世界にアピールするためにもビデオを公開すべきだ」と同日の予算委集中審議で一般公開を訴えた。
一方、フジテレビ系の情報番組「とくダネ!」は、2隻の船の位置関係は、周囲が海ばかりでほかに対象物がない場合、一方の船の1台のカメラ映像だけではどちらの船がぶつかっていったのか必ずしも判定できないとして、「別角度からの映像も公開した方が良い」とする専門家コメントを紹介するなどしていた。
今後、ビデオを一般公開するのか、編集前の映像も公開するのかなどをめぐり、国会で駆け引きが続く模様だ。