世界初逆走防止カーナビ 2日発売日産フーガHVに初搭載

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   高速道路のインターチェンジなどを誤って逆走した場合、ドライバーに警告を発する世界初のカーナビゲーションシステムを西日本高速道路会社と日産自動車が共同開発し、2010年11月2日発売の日産ハイブリッドカー「フーガ ハイブリッド」に標準装備された。日産は今後、フーガ以外の車種にも順次採用していくという。

   これまでありそうでなかったカーナビの新技術で、ドライバーの逆走ミスの約7割を予防できるという。西日本高速と日産は開発したプログラムを他メーカーにも公開するとしており、逆走防止の機能がカーナビの標準となる日も近いかもしれない。

「逆走」と判断すると音声と画像で注意喚起

日産「フーガ ハイブリッド」
日産「フーガ ハイブリッド」

   西日本高速と日産は2009年1月からITを活用した道路情報提供システムの共同研究を進めており、その成果として今回、逆走を防止する世界初のカーナビシステムが誕生した。

   逆走防止の仕組みはこうだ。サービスエリア(SA)とパーキングエリア(PA)の出入り口やインターチェンジ(IC)、ジャンクション(JCT)に車が差し掛かると位置情報を認識し、一度通過してから再び同じ分岐・合流点に進入しようとするとカーナビが「逆走」と判断し、音声と画像で注意喚起する。

   これは一見、簡単そうに見えるが、「道路会社が保有する道路構造に関する知見と、自動車メーカーの保有するGPSナビゲーションに関する知見を合わせて開発した『逆走判定ロジック』と呼ばれる新技術」だという。この逆走判定ロジックのプログラムは「市販のカーナビに実装可能な技術として開発したため、プログラム処理の追加のみで、他のカーナビにも応用できる」と言うから、ドライバーにとっては朗報だ。

   逆走防止のカーナビは西日本高速管内の高速道路に限らず、全国の高速道路で利用できる。ただし、分岐点のない本線上や、首都高速道路と阪神高速道路などIC間が短い区間で、逆走を検知できないという。この点は今後の課題となる。

初の本格HVで安全面の先進性をアピール

   西日本高速の03年から09年まで過去7年間のデータによると、西日本の高速道路では年間平均411件の逆走があるという。事故を起こすのは高齢者が多く、49.5%を65歳以上が占める。事故の発生場所としては、ICが57%、SA・PAが17%を占めており、今回のカーナビで約7割の事故が防げる計算になるという。

   日産がこの画期的なカーナビを「フーガ ハイブリッド」に搭載したのは、象徴的な意味がありそうだ。日産はかつて「ティーノ」のハイブリッドカーを限定発売したことはあるが、トヨタやホンダに対抗する本格的なハイブリッドカーは今回のフーガが初めて。日産はハイブリッドによる燃費改善の先進性だけでなく、逆走防止の世界初のカーナビ搭載で安全面でも先進性をアピールする狙いがある。フーガはかつてのセドリック、グロリアの後継とされる高級車で、ユーザーには中高齢者が多いことも、今回のカーナビ搭載1号車にはうってつけだったと思われる。

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