小説大賞を受けた俳優の水嶋ヒロさん(26)は会見で、俳優名を伏せて応募したと明かした。とはいえ、ネット上などの一部で知られていた実名を応募で書いていた。出版社は最終選考後まで知らなかったというが、本当なのか。
受賞作発表会の水嶋ヒロさんは、壇上に上がると、一瞬言葉に詰まったそぶりをみせる。そして、思い直したように、こう切り出した。
6月23日に応募し、9月20日に研音退社
「まず初めに、このような栄誉ある賞をいただきまして、恐縮しています。まだまだ身震いをしている最中です」
そして、応募で芸名の「水嶋を隠していた」としたうえで、「純粋に作品が評価された事実をうれしく思っています」とお礼を述べ、深々と頭を下げた。
2000万円の賞金というポプラ社の小説大賞には、1285作もの応募があった。ヒロさんは、2010年6月23日に415番目という早い段階で応募。その作品「KAGEROU」は、男の自殺を制止したのは命を守るためではなかったというストーリーだといい、激しい競争の中で、最終候補の7作に残った。そして、さらに3作が絞られ、10月25日の最終選考でヒロさんが大金の権利を手中にした。同賞は、初回以外は該当作がなく、5回目にしてやっと受賞者が出た形だ。
しかし、ヒロさんは、「齋藤智」というペンネームで応募しており、同社事務局がヒロさんを認識したのは、同27日に本人と会ってからだという。
ヒロさんは、シンガーソングライターの絢香さん(22)と入籍後、9月20日に所属していた研音を退社している。研音によると、「表に出るよりも執筆活動」という理由からだという。しかし、文学の新人賞を取ったわけでもないのに、小説家などに転身したいというのは変だと、一部週刊誌などでは、無断入籍による解雇説も出ていた。
そんな中、1か月ほどで小説大賞を受けたことで、ネット上では、その経緯を巡って、様々な憶測が出ている。中には、「出来レースでは」とのうがった見方まであるほどだ。
選考過程などで、出版社は本当にヒロさんを認識できる機会はなかったのか。