グーグルが開発したスマートフォン(多機能携帯電話)用基本ソフト(OS)「アンドロイド」の人気が高まっている。米国では2010年4~8月の各月の新規契約者数で、アンドロイド搭載機が米アップルの「アイフォーン(iPhone)」を抜いた。
そんな中、グーグルが独自で開発、販売したアンドロイド携帯「ネクサスワン」に後継機が出るのではとの噂が出てきた。ネクサスワンは既に市場から撤退し、グーグルの経営トップ自ら「後継機種はつくらない」と明言していた。復活するとしたら、その目的は何だろうか。
サムスン「ギャラクシーS」に似たモデル
「ネクサスワン」は2010年1月に発売。通信事業者や販売店を介さずにグーグルが直販、しかも購入ルートはオンラインのみで話題を集めた。ところが販売台数は、初代アイフォーンが発売後74日間で100万台に達したのに比べて、ネクサスワンは同日数で13万5000台と低迷。その後も伸び悩みが続いた模様で、7月には販売を終了してしまった。
グーグルのエリック・シュミットCEO(最高経営責任者)は英テレグラフ紙のインタビューで、「ネクサスワンは、(グーグルの)携帯電話のOSなどプラットフォームやハードウエアの事業を前進させることが目的だった」と話し、売り上げなどには触れずに「目標は達成した。大成功だった」と総括した。しかし、傷口が広がらないうちに撤退したようにも見える。
シュミットCEOはこのインタビューで、ネクサスワンの後継機は作らないと話している。しかしここにきて、「ネクサスツー」が出るのではないかと欧米のITメディアが騒がしくなった。
米ブログメディア「ギズモード」は10月28日付記事で、記者の友人が実際に「ネクサスツー」に触れたとの証言を基に、韓国サムスン電子製だとまで明言している。「黒光りしたボディー」「4インチの有機ELディスプレー」と特徴を詳述。一見してサムスンの最新スマートフォン「ギャラクシーS」に似ているが、決定的な違いとして「フロントカメラが搭載されている」点を挙げた。