「人間の命かかっているのに、クマはかわいい、だとか、もうガッカリ」
市街地に現れたクマを駆除し人命を守るために活躍してきたのが猟友会のメンバーだ。その全国組織「大日本猟友会」本部に話を聞くと、この3、4日で50を超える非難のメールや電話が相次いでいるという。大日本猟友会は取材に対し、
「クマがどれだけ危険なのか、現実を分かっていない人が多い。人間の命がかかっているのに、クマはかわいい、だとか、クマが可哀想だとか、もうガッカリを通り越して、参ったという感じだ」
と嘆く。批判の中には麻酔銃を使え、山に誘導すればいい、といったものがあるが、どれも突然民家近くに現れた野生のクマに対しては机上の空論だと打ち明ける。
かつては里を荒らし、人間の命を脅かすクマを仕留めたハンターはちょっとした英雄だった。現在は批判の対象になる場合がある。大日本猟友会の会員数は一時期40万人いたが、現在は10万人を切った。それは若い人が参加しなくなったからだ。日当が千円ということもあり、「割に合わない」と考えるようになったからだという。
「このまま減り続ければ10年後に困った状況になる。誰が害獣から住民を守るのかという心配事が迫っているんです」
そう大日本猟友会では話している。