小泉進次郎は「TV政治の天才」 「しゃべり」プラス「ボケ」の威力

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   「テレビポリティクス(テレビ政治)時代の天才だ」――仙谷由人・官房長官が自民党の小泉進次郎・衆院議員をこう評した。「しゃべりがうまい」のは間違いない。それだけなのだろうか。「天才」の話し方について、政治評論家や話し方教室のプロ、テレビ批評家そしてインターネットでの反応を探ってみた。

   仙谷長官が「天才発言」をしたのは、2010年10月28日の民主議員グループ会合と同日の記者会見でのことだ。前日の衆院内閣委員会での蓮舫・行政刷新担当相VS小泉議員のやりとりを見た感想を述べたものだ。

「テレビ政治時代の『寵児』にはなり得るタイプ」

   産経新聞報道によると、仙谷長官は会見で「天才発言」について、「一般的に天才と言ったわけじゃない」と、あくまでテレビ政治という文脈の中での表現だと強調した。「天才発言」が、小泉純一郎・元首相の次男、進次郎議員の手ごわさに思わず本音をもらしたものか、「実質を伴わないテレビ向きパフォーマンス」という意味で皮肉ったのか真意は不明だ。

   ネットの2ちゃんねるには、仙谷長官の「天才発言」に関する複数のスレッドが立った。ざっと読んだ印象では、小泉議員に関する論評よりも、「テレビと政治」というキーワードに絡めて「テレビ出演を利用しているのは民主の方だろ」「テレビを意識?蓮舫のことか?」などと民主党を皮肉る発言が目立つようだ。

   小泉議員の「話し方」「テレビ映り」について、異なる分野の専門家に印象を聞いてみた。

   「諫める―亡国の政治に警鐘」(共著)の著書がある、政治評論家の杉浦正章・元時事通信編集局長は、「『天才』は言い過ぎだが、テレビ政治時代の『寵児』にはなり得るタイプだ」とみる。「言葉のセンスがいい。度胸もある」と評する。

   かつては、父の純一郎・元首相の指導を受けているのかと思ったこともあるそうだが、「即興の受け答えを見ていると、いちいち相談している感じではなく、独自性がある」。

   「話し方教室 青山コミュニケーションセミナー」の栗原典裕代表は、さらに高評価だ。田中角栄・元首相、小泉純一郎・元首相につぐ「政治家ベスト3に入ってくるほど俊逸だ」という。栗原代表は、政治家の話し方についてテレビで解説を求められるなど、政治家演説を聴く機会も多い専門家だ。

   栗原代表によると、進次郎議員は「アイス・ブレイク(氷のようになった雰囲気を壊す)」がうまいそうだ。演説冒頭の「つかみ」で聴衆の緊張をほぐす努力も「人一倍払っている」。参院選(10年7月)の愛媛県内での応援の際、マイクの調子が悪いふりをして同県特産のポンジュースを取り出してみせ、笑いを取ったこともあるという。各地の方言を織り交ぜるなど、「クールな外見からは一見不似合いなボケ」も取り入れており、「努力の跡がうかがえる」そうだ。

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