「女性限定あって良い」の声も
山下さんの考えでは、「女性限定」は「あっても良い」。ただし、「女性はまだまだ弱い存在なのでこうした特典があっても良い」などの「女性の味方と称する人たち」と同じ理由からではない、という。
山下さんは、男女の差異を認めない「平等論」に反発を感じているそうだ。差異を認めた上での共生を訴えている。「女性限定メニュー」は、「量は少なく種類は多く」や「彩りがきれい」など多くの女性のニーズを反映している面もあり、値段の安さという側面だけを強調する必要はない、との意見だ。
食事や飲酒の好みや量は、男女ともそれぞれ個人差があるのも事実だが、大まかな傾向としては、例えば「飲み放題で男性の方がたくさん飲むから値段設定も男性の方が高い」店があっても問題はない、ともいう。勿論、例外(大量に飲む女性など)が少なからず存在するのは織り込んだ上で、だ。
山田教授が「レディーズセット」の男性への開放を「願っている」点についても、「賛成できない」。「種類は少ないけど量は多く値段も安い」などの「男性限定メニュー」があっても良いし、小食の男性向けや高齢者向けの「限定サービス」も可能だと指摘し、「『女性限定』を男性が食べる必要はない」と断じた。
また、東京都内で働く20代~40代の女性会社員数人に同コラムを読んでもらった上で感想を聞いてみた。「女性限定」の存在が「女性は経済力がなくて当然という意識を間接的に広めることになる」との山田教授の指摘に対しては、いずれも「ピンと来ない」という反応だった。そして、「女性限定」はあって良いし、「男性限定」があっても「差別されている」とは感じない、という感想だった。
ネットの2ちゃんねる上の意見をみてみると、男性としてもデートのときに「女性限定メニュー」の存在は費用の面などで便利だというコラムへの「反論」や、指摘に目新しさはないが正論だとする「肯定論」などが並んでいた。