書店で手にとってもらうための「作戦」
「金欠の高校生が~」の出版元、PHP研究所に取材すると、もしドラの影響は「多大に受けている」と認める。「ひと目でわかるような本でないと、書店で埋もれてしまう」と編集担当者。そこで、ヒット作となったもしドラのエッセンスを「拝借」したようだ。「かけだしカウンセラーが~」を出す出版文化社も、タイトルなどはもしドラにあやかっており、「何とか手にとってもらおう」という作戦だと話す。ただ、一方で、「もしドラと比べて、ビジネス小説としての色合いが濃い」と、中身の違いを強調する。
「パンクロッカーが~」を出版したイカロス出版に聞くと、若い世代に親しみを持ってもらえる仏教の入門書を出すにあたって、販売好調なもしドラの「パロディー」を思いついたという。マネジメント本と宗教本という全く違うジャンルで、「書店でも競合しないと思い、迷惑にならない範囲で」(編集担当者)タイトルと表紙イラストを考えたと打ち明ける。
出版業界だけにとどまらず、もしドラをもじったアダルトビデオまで登場したようだ。パッケージは実写で、女子高生のイラストの代わりにセーラー服を着た女性が笑顔で映っている。ここまでくると悪ノリの印象も拭えないが、そこまでインパクトがあった本、ということかもしれない。