「明らかに失言だった」
ここで、シュミット氏の問題発言は飛び出した。
「私たちは、その一線は越えないようにしている。例えば、ストリートビューは、(撮影車を)1回しか運転しません。だから、引っ越せばいいんですよ」
パーカー氏は、「引っ越す?」と面食らった様子だったが、シュミット氏は「そうですよ」と真面目な様子で、パーカー氏は「そりゃ面倒ですね」と苦笑いしていた。
シュミット氏は、この直後に
「私たちは状況を監視している訳ではない。衛星写真も(撮影からグーグルのサービスに反映されるまでに)遅延がある。人々の居場所がリアルタイムで伝わらないように、非常に注意をはらっている」
と釈明したが、やはり視聴者には「傲慢だ」との印象を与えたようだ。
CNNのサイトに掲載されている動画には、
「シュミットは嘘つきだ」
「グーグルは恐ろしい」
「大切なのは、個人情報を守ることだ」
といった批判的なコメントが相次いでいる。
これを受けて、シュミット氏は番組終了後、複数の欧米メディアに対して、
「プライバシーについて堂々巡りの議論の中で出た発言で、明らかに失言だった」
「ストリートビューについて懸念があり、(ストリートビューから)自分の家を削除して欲しい場合は、グーグルにコンタクトすれば削除する」
との謝罪コメントを寄せている。
ストリートビューをめぐっては、日本国内でもプライバシーの観点から批判が強く、政府に対して規制を求める決議を行う地方議会も相次いだ。これを受けて、グーグル日本法人は09年2月、新たにサービスを始める際には地元自治体に事前に通知する方針を打ち出している。また、日本弁護士連合会は、ストリートビューがプライバシーに与える影響を評価する第3者機関の設置を求めている。