2万匹の群れの大半が消えてしまった
ただし、「解明」にこぎつけたのはここまで。ウイルスとカビがどうハチを「殺す」のか、さらには、なぜハチが失踪してしまうのか、というナゾは残されたままだ。ブロメンシェンク教授は、ウイルスとカビ両方の悪影響でハチが帰巣するための記憶が破壊され、巣に戻れなくなるのでは、という考え方を示している。
日本でもCCDと見られる被害は発生している模様だ。例えば、兵庫県三田市の「県立人と自然の博物館」では2009年、飼育していたミツバチの群れの一つ、2万匹程度のミツバチの大半が消えてしまい、短期間で壊滅状態となったと報じられた。大量死もたびたび発生。09年春には21都県でミツバチ不足が伝えられた。国産のミツバチでは賄いきれず、輸入に頼っているのが現状だが、CCDが深刻化すれば国内の農産物の生産に大打撃となる。
今回の米国の研究成果で、CCDを解決する道が開けたが、全容解明へはまだ時間がかかりそうだ。