「サーカスが来た」というだけで騒がなくなった
しかし、サーカス業界全体がダメということではない。木下大サーカスや、ポップサーカスは成績もいいという。西田さんは指摘する。
「昔はサーカスも絶対的な人気があって、『サーカスが来た』というだけで子ども達が騒いだけど、今そんなことはありません」
娯楽が多様化した現代では、半年、一年後の興業できちんと目標を立てて動員を稼ぐには、公演前にテレビCMやポスターなどでいかに宣伝したり、生協などでどれだけチケットを販売したりするか、といった営業活動が重要。他のサーカス団に比べ、キグレはそうした点に問題があったのではないか、という。
また、カナダ発のサーカス団「シルク・ドゥ・ソレイユ」も現在日本で大人気だ。シルク・ドゥ・ソレイユは、アーティストの芸だけでなく音楽や照明、衣装なども凝っており、「現代的なサーカス」と言われている。他の国内サーカス団も団員に白人アーティストを入れたり、動物を使うなど工夫して特色を出したりしている。
「サーカスもショービジネス。キグレが時代に対応できなかったということでしょう。とても残念です」
約70人が参加しているmixiの「キグレサーカス」コミュには「夢をいっぱい、感動をいっぱい、ありがとうございました」「また、復活してくれる事を私は信じています!」といったものが寄せられている。