税制改正論議の行方定まらず 景気減速の中で増税できるか

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調査会初会合は議員本人出席たった30人

   そんな自民党時代を「不透明」と批判したのが民主党だった。しかし、昨年は意思決定の仕組みが確立できていなかったことから、各省の利害が対立し、調整が難航。党内からも「税制の議論に加われない」と不満が噴出し、与党との調整も機能不全に陥った。

   その教訓から、菅政権は2011年度改正で民主党内に、事実上の党税調復活となる税制改正プロジェクトチーム(PT)を設け、政府・党が一体で意見の集約を目指す体制に転換した。ただ、「民主党は若手ばかりで税制に精通した人材が少ない」(財務省筋)ため、新しい仕組みがどこまで機能するかは不明だ。

   消費税を中心とした中長期的な論議も、政府と党が並行して議論する体制を敷く。政府が10月下旬に、野田佳彦財務相や玄葉光一郎国家戦略担当相(党政調会長)ら関係閣僚による税と社会保障の抜本改革を検討する会議を設置する方針。党側は13日に「税と社会保障の抜本改革調査会」(会長・藤井裕久元財務相)の初会合を開き、社会保障の将来像と消費税増税を含む財源確保策の議論を始めた。党は年内に、税と社会保障改革の全体像を政府に提言、政府側はこの提言を踏まえて政府・与党案をまとめる考えだ。ただ、ねじれ国会の下でその先に待ち構える与野党協議の見通しは立っていない。

   抜本改革調査会の初会合は議員本人の出席が30人程度にとどまり、用意した席の半分も埋まらなかった体たらくで、消費税を持ち出して敗れた参院選のトラウマも残る中、党内論議さえ全く見通せない状況だ。

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